ご無沙汰のブログ。
「忙しそうだね〜」っと本人があまり自覚していない”忙しさ”を強調してくれる方々が多い日々。”忙しい”という心を失う感じがする言葉があまり好きじゃないので、「忙しくないよー」っと答える日々ですが、課題としてする事が沢山ある毎日は本当にありがたい事だと感じます。
イスラエル→オランダ→岩手県大槌町を中心とした被災地域(途中、飛騨高山&アメリカ経由で)を巡る挑戦が一段落しました。やっと、書きたかった事を文章にできます。出会いによって学び、年齢を重ねる中でやっと僕のこの世でのすべき事が見えてきた気がします。
「刺し子の存在意義」なんて大袈裟な表現はどうかとも思っているのですが、家業の刺し子に入って以来、刺し子の存在意義、そして刺し子に従事する僕の存在意義についてずっと考えていました。これは以前のブログにも繰り返し書いてきた事で、3.11の震災以後の被災地支援を通して、僕は支援しながらも支援され続けているのだな…と改めて思うのです。
大槌復興刺し子プロジェクト…という弊社が全面的に支援をしている手仕事プロジェクトを通して、世界の本質を知っていらっしゃる、厳しくも心底優しい方に出会う事ができました。
その方は、元世界銀行副総裁の西水美恵子さん。
http://www.sophiabank.co.jp/japanese/about/partners/nishimizu.html
お会いする前から著書を拝読し、何度か心の通ったメールを頂戴し、尊敬の念を抱いていた西水さん。実際にお会いし、数日一緒に過ごし、惚れてしまいました。
西水さんが仰った、「本気のスイッチ」
僕で言えば、そのスイッチが入ったのは大槌の刺し子さんの笑顔に出会った瞬間であり、その時に「刺し子の存在意義」を疑って考えていた自分に恥ずかしさを覚えました。僕の目の前には、似たような宝物が山積みになっているのに…と。
数日を一緒に過ごす中で、沢山の言葉を頂きました。ブータン王国の国王様をはじめとして、多くの”リーダー”と一緒に仕事をされてきた西水さんの紡ぎだす言葉は、僕の身体の中で熱を帯び、アホみたいに迷っていた自分の方向性を焼き付けるほどの熱量を生み出す様になりました。
保守的に「できるかどうか」を気にしていた自分が、いつのまにか、「やるかどうか」にフォーカスをおいている瞬間に、そして勿論、答えは「やる」と出る今迄出会いもしなかった自分に嬉しさと戸惑いを覚えながらも、こうして文章に纏められる事を幸せに思っています。
西水さんとの出会いは一通のメールからでした。
大槌の刺し子さん(観音様)と職人集団の飛騨さしこへのヒトツの注文。
半年以上の年月を経て形にできたその作品は、西水さんに喜んで頂けたのは勿論、私たちと大槌の刺し子さん達の未来を照らす大きな希望となりました。
:*一連のプロジェクト紹介はリンク先を参照下さい。(
http://report.hidasashiko.com/Collab/N_Project_3.html)
西水さんは、大槌の刺し子さん達を”観音様”と仰っています。それは、僕が出会った笑顔と同じような意味合いを持っていると信じています。
その観音様の笑顔を見続けたい…守りたい。
ただそれだけの理由で、僕は現地にどれだけでも足を運びたいし、飛騨さしことしても出来る限りの協力はしていきたいと思っています。それだけ、観音様達の笑顔には力がある。
と同時に、同じような仕組みで出来上がっている我々飛騨の刺し子にも、それだけの力があると信じる様になりました。一緒に働く職人さん…という意味合いから少し離れた、尊敬する人生の先輩の職人さんとして、この刺し子の未来を一緒に作っていけたらと思っています。
職人としてのコダワリを最大限尊重し、
その職人さんにしっかりと報酬を出せるような経済的システムも守りつつ、
職人と商売の中道を見据えながら、前に進めたらと思っています。
海外と日本を往復する日々は変わりません。
家族という一番守りたいものも変わりません。
軸をぶらす事が無いように、海外と日本を往復する自分だからこそ、海外に外国人の家族がいる自分だからこそできる仕事が、前に進める文化が、そして攻めながら守れる伝統があるんじゃないか… そう信じてこれからも頑張っていきたいなっと思っています。
応援頂けたら嬉しいです。
アホで、暴走が得意で、言葉足らずで、未熟な自分ですが、
日々、出会いを頂く中で、考える時間を頂く中で、ヒトツひとつ、一歩づつ大きくなれたら…と思っています。日本に何かを残せる様に。
ありがとうございます。